睡眠時無呼吸症候群のあるパーキンソン病患者の睡眠脳波状態の遷移過程解析

DOI

抄録

<p>パーキンソン病(PD)と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の併発は少なくない. SASのあるPD群とSASのある非PD群間に睡眠パターンに違いがあれば, それを利用してPDを早期にスクリーニングできる可能性がある. 我々はこれまでにSASのあるPD患者の方がSASのある非PD患者よりREM段階と中途覚醒段階間の遷移確率が低いことを報告した. この研究は30秒スケールで解析したが, 脳活動は30秒より短い時間スケールで遷移する. Imbachらは睡眠時の脳波を5秒スケールで解析し, SASの無いPD患者の睡眠脳波状態平面上の遷移速度が健常者よりも遅いことを報告した. 本研究はこの手法を用いてPDがSAS患者の睡眠脳波状態の遷移速度に与える影響を明らかにすることを目的とした. 睡眠ポリグラフ検査で計測されたSASのあるPD患者 31名とSASのある非PD患者31名の脳波と睡眠段階データを解析した. その結果, 左脳前頭部(F3)では中途覚醒, 左脳運動感覚野(C3)では中途覚醒, NonREM1, REMにおいてSASのあるPD群の睡眠脳波状態平面上の遷移速度はSASのある非PD群に比べて統計的有意に低かった. 遷移速度と患者の臨床特性を説明変数としたロジスティック回帰モデルを用いた患者群(PDの有無)の判別分析の結果,ROCのAUC値は0.78,遷移速度の偏回帰係数は統計的に有意であった.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 199_2-199_2, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298820567265152
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.199_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ