生体医工学×医療機器管理のエビデンス創設を目指して
-
- 今田 寛人
- 広島赤十字・原爆病院 臨床工学課
抄録
<p>筆者が医療現場で研究を行う理由の一つに”医療機器の保守・安全管理によって患者により良い医療を提供したい”との思いがある。医療法により、医療機器の保守・管理や安全教育が義務付けられているが、その間接的指標として、医療機器安全管理料1の算定があげられる。2015年時点において、算定施設数は2,571/8,464施設(30.4%)であり、算定割合は公的病院や大病院ほど高く、私立病院や中小病院ほど低いと報告されている。医療機器安全管理料1の算定のみで医療機器の安全性の質は評価できないが、すべての医療機関で医療機器が保守・管理されているとは言い難いことが伺える。その原因として、どのような保守・管理を行えばより安全で効率が良いのか、正しい使用方法の教育・啓発活動はどのようにすればよいのか等の”医療機器管理のエビデンス”が乏しいことがあげられる。筆者はそれらの課題に対し、科学的に実験・分析を行う”工学”、それが人体にとってどういう意味をもつのかという”医学”を用いた学問横断的な研究を行ってきた。生体医工学の定義は“医学に工学技術を取り入れて、生命現象を明らかにするとともに、診断や治療に有効な手段を提供する新しい専門分野”とされており、振り返ると筆者の研究分野は生体医工学であったのかもしれない。本セッションでは、筆者のこれまでの取り組みと研究を振り返り、今後、”医療機器管理のエビデンス”を作るための課題を示したい。</p>
収録刊行物
-
- 生体医工学
-
生体医工学 Annual61 (Abstract), 96_1-96_1, 2023
公益社団法人 日本生体医工学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390298820567458176
-
- ISSN
- 18814379
- 1347443X
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可