パゾパニブ投与中の難治性気胸に対して外科治療を行った骨肉腫肺転移の1例

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タイトル別名
  • A case of surgical intervention for refractory pneumothorax associated with pulmonary metastases from osteosarcoma during pazopanib administration

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抄録

<p>症例は31歳男性.左大腿部骨肉腫の両側多発肺転移に対して原発巣切除,化学療法後に肺転移切除を施行した.その後再発し化学療法が再開されたが,効果が乏しくパゾパニブ(600 mg/日)が開始された.投与4日目に経過観察していた左気胸が増悪し胸腔ドレナージ・癒着療法(タルク,OK-432)を行った.保存的治療で改善を認めず手術適応とした.癒着療法により胸膜は肥厚していたが,癒着は軽度であった.腫瘍近傍から著明な気漏を認め部分切除・気漏修復術を行った.手術後は気漏を認めず術後9病日に退院した.組織学的に,腫瘍周囲の臓側胸膜が壊死に陥り腫瘍が胸膜外に露出していた.また胸膜肥厚部にシリカの沈着と肉芽形成を認めたが腫瘍近傍の胸膜破綻部には胸膜の増生を認めなかった.このように軟部腫瘍肺転移に対しパゾパニブ投与中に発症した遷延性気漏では臓側胸膜が破綻している可能性があり,外科的治療の適応を考慮する必要がある.</p>

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参考文献 (11)*注記

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