術後早期に発生したリンパ節転移を放射線治療で制御し得た胸壁原発血管肉腫の一例

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タイトル別名
  • A case of primary angiosarcoma of the chest wall with early postoperative lymph node metastasis controlled by radiotherapy

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抄録

<p>75歳,男性.腹部膨満感,食欲不振で来院され,CTで左胸水貯留と第7肋骨浸潤を疑う腫瘤を認めた.胸腔ドレナージにて血性胸水を認め,原発性肺癌疑いで,診断目的に胸腔鏡下左肺部分切除+肋骨針生検を施行した.肺腫瘤は血腫であったが,肋骨病変の針生検から血管肉腫と診断された.PET-CTでは胸壁腫瘍部と左腋窩リンパ節に集積を認めた.根治手術として左胸壁腫瘍切除+腋窩リンパ節郭清術を施行した.組織診にて胸壁に最大径2.1 cmの類上皮血管肉腫を認め,多数の左腋窩リンパ節転移を確認できた.術後左腋窩・鎖骨上リンパ節に追加放射線治療として50 Gyを照射した.術後3ヵ月のPET-CTで左傍胸骨リンパ節にFDGの集積を認め,転移と判断して左内胸骨領域にも放射線治療50 Gyを施行した.以後再発兆候を認めず5年間経過観察中である.血管肉腫のリンパ節転移に対して放射線治療は有効な治療手段になると考えられる.</p>

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参考文献 (28)*注記

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