もやもや病による右前頭葉の脳梗塞で発語失行と文法障害を呈した交叉性失語の 1 例

  • 目黒 祐子
    東北医科薬科大学病院リハビリテーション部言語心理部門
  • 松田 実
    清山会いずみの杜診療所
  • 佐藤 健一
    独立行政法人国立病院機構仙台医療センター脳神経外科 学校法人東北医科薬科大学医学部 脳神経外科学
  • 佐々木 達也
    学校法人東北医科薬科大学医学部 脳神経外科学

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Crossed Aphasia with Apraxia of Speech and Agrammatism due to Right Hemispheric Infarction Caused by Moyamoya Disease

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抄録

<p>  もやもや病による右前頭葉の脳梗塞で言語障害と視空間認知障害を呈した症例を報告した。本例の言語障害は, ①プロソディ障害を主症状とする発語失行と②助詞の脱落や誤用, 構文理解障害を主症状とする文法障害との 2 つの要因から構成されていた。右利き患者で右半球病巣による発語失行や失文法の既報告例と症状や病巣を比較検討した。発語失行や文法障害の症状には大きな違いはなかったが, 病巣的には微妙な違いがあると考えられ, もやもや病による慢性的な虚血性の機能障害が関与していると考えられた。また右前大脳動脈 (ACA) 領域の損傷がありながら発話意欲が急速に回復し, プロソディ障害のみが残存したことが特徴的であった。慢性的な虚血性障害や機能再編成が, 言語の側性化を含む言語機能の脳内分布にも何らかの影響を与えている可能性も無視できないと考えられた。 </p>

収録刊行物

参考文献 (16)*注記

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