歯科衛生学生における不正咬合者の心理的コンプレックスと矯正歯科治療の影響

DOI
  • 和田 智恵
    日本歯科大学新潟短期大学専攻科 歯科衛生学専攻
  • 長谷川 優
    日本歯科大学新潟短期大学 歯科衛生学科

書誌事項

タイトル別名
  • Psychological complexes of individuals with malocclusion and the influence of orthodontic treatment amongst dental hygiene students

抄録

【目的】本研究の目的は,歯科衛生学生を対象に不正咬合者の心理的コンプレックスと矯正歯科治療の影響を明らかにすることである.<br> 【対象および方法】対象は2022年度の日本歯科大学新潟短期大学歯科衛生学科学生で,第1学年55名,第2学年50名,第3学年55名,すべて女性である.不正咬合者の心理的コンプレックスに関する10項目の質問に,10 cmのビジュアルアナログスケール(VAS)を併用してアンケートを行った.回収率と有効回答率はともに100%であった.<br> 【結果および考察】学年間比較ではVAS計測値(値)のすべてに有意差がなかった.矯正歯科治療終了群(治療終了群)は,写真を撮る時歯を見せるのに抵抗があるか,自分の歯ならびが気になるか,自分の歯ならびや口元にコンプレックスがあるかという質問で,矯正歯科治療経験無で心理的コンプレックス有の群(コンプレックス有群)よりも値が有意に低かった.矯正歯科治療中群(治療中群)は,人前で食事をする際に口元が気になるかという質問で,治療終了群よりも値が有意に高かった.治療中群は,硬いものが食べにくいかという質問で,治療終了群とコンプレックス有群よりも値が有意に高かった.<br> 【結論】歯科の知識が多いか少ないかは,不正咬合による心理的コンプレックスと関係しなかった.また,矯正歯科治療中も心理的コンプレックスは持続し,矯正歯科治療の終了がそのコンプレックス解消のきっかけとなることが示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298842369007488
  • DOI
    10.32303/jnohs.13.1_1
  • ISSN
    24347116
    24347108
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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