分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍の自然経過に関する検討

書誌事項

タイトル別名
  • フン シガタスイカン ナイ ニュウトウ ネンエキセイ シュヨウ ノ シゼン ケイカ ニ カンスル ケントウ

この論文をさがす

抄録

目的:分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm ; IPMN) の自然経過を調査検討する。 方法:2 年間に当院の画像検査にて分枝型IPMNと診断され,1 年間以上の経過観察をされていた 325 例を対象に後方視的に観察し,嚢胞径の経時変化を調査した。また,増大群と非増大群の 2 群に分け,観察開始時の嚢胞径,背景因子の差を比較した。 結果:観察開始時の嚢胞径は 5 mmから 102 mmで,観察期間は 1 年間から 12 年間であった。増大群は 147 例( 45 % ) ,非増大群は 178 例( 55 % ) であり,2 群間で観察開始時の嚢胞径に差はなかったが,年齢は増大群で有意に高値であった。増大群のみに注目し,嚢胞径と径の変化を調査すると有意な関係が認められ,15 mm以上と 15111111 未満の病変を比較すると 15 mm以上では単位年あたりの嚢胞径の増大速度が大きかった。 結論:増大する分枝型IPMNは嚢胞径が大きいほど増大する速度が大きく,特に高齢者は慎重な経過観察が必要である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ