Evans症候群の治療経過中に血管免疫芽球性T細胞リンパ腫を発症した 1 例

  • 大高 行博
    国立病院機構高崎総合医療センター 総合診療科 群馬大学大学院医学系研究科 総合医療学
  • 渡邉 俊樹
    国立病院機構高崎総合医療センター 総合診療科 群馬大学大学院医学系研究科 総合医療学
  • 合田 史
    国立病院機構高崎総合医療センター 総合診療科
  • 佐藤 真人
    群馬大学大学院医学系研究科 総合医療学
  • 佐藤 浩子
    群馬大学大学院医学系研究科 総合医療学
  • 小和瀬 桂子
    群馬大学大学院医学系研究科 総合医療学
  • 大山 良雄
    群馬大学大学院医学系研究科 総合医療学 群馬大学大学院保健学研究科 応用看護学
  • 田村 遵一
    群馬大学大学院医学系研究科 総合医療学
  • 佐藤 正通
    国立病院機構高崎総合医療センター 総合診療科 群馬大学大学院医学系研究科 総合医療学

書誌事項

タイトル別名
  • 症例報告 Evans症候群の治療経過中に血管免疫芽球性T細胞リンパ腫を発症した1例
  • ショウレイ ホウコク Evans ショウコウグン ノ チリョウ ケイカ チュウ ニ ケッカン メンエキ ガキュウセイ Tサイボウ リンパシュ オ ハッショウ シタ 1レイ

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抄録

症例は 75 歳,男性。63 歳時に免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病)を発症しプレドニゾロン内服により寛解を得ていた。休薬中であった 74 歳時には自己免疫性溶血性貧血と診断されたため,Evans 症候群として内服治療を再開された。治療継続中の 75 歳時に右頚部,両側鼠径部のリンパ節腫脹を来し,リンパ節生検などの精査から血管免疫芽球性T細胞リンパ腫,Ann Arbor分類Ⅲ B期と診断され,当科において CHOP療法を実施した。治療により速やかに腫脹リンパ節は縮小し,全身状態は安定化した。本症例はEvans症候群と 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫を合併した点で極めて稀であるとともに,免疫性血小板減少症や自己免疫性溶血性貧血などの免疫制御機構の破綻が病因とされる疾患とリンパ増殖性疾患との関連が示唆され,これらの点で大変重要と考えられた。

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