遠隔地小規模病院で緩和医療をおこなった直腸GIST術後Trousseau症候群の1例

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  • 症例報告 遠隔地小規模病院で緩和医療をおこなった直腸GIST術後Trousseau症候群の1例
  • ショウレイ ホウコク エンカクチ ショウキボ ビョウイン デ カンワ イリョウ オ オコナッタ チョクチョウ GIST ジュツゴ Trousseau ショウコウグン ノ 1レイ

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抄録

直腸のgastrointestinal stromal tumor(GIST)術後で,Trousseau症候群による歩行困難のため当院に救急搬送された症例を経験したので報告する。 症例は 69 歳男性。約 3 年前にMileʼs手術が施行され,術後,頭痛精査の為に撮影した脳MRIで多発小脳伷塞巣が認められ,Trousseau症候群と診断された。同時に多発肝転移も指摘された。その後,自宅から 120 km の距離を通院していたが,突然歩行困難となったため,当院へ救急搬送された。当院へは,数年間通院歴が無かった。当院入院後は,緩和医療に主眼をおき,約 2 ヶ月後死亡となった。癌の再発転移による末期症状に対する緩和医療は重要である。北海道の遠隔地では,他の医療機関で治療されていた末期癌患者が突然状態が悪化し,紹介状を持たずに地元の小規模病院へ救急搬送されることもある。緩和医療は,居住地の遠隔地病院でも可能であることを本人家族によく説明し,患者ニーズに合った医療を提供することが肝要である。へき地の小規模病院の総合診療医は,緩和医療の実践が必要と考えられる。

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