『耳をすませば』における支援のありかたに 関する心理臨床学的探求の試み

書誌事項

タイトル別名
  • Exploring ways to psychoclinically support “Whisper of the Heart”

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抄録

要約 本稿の目的は,アニメーション映画『耳をすませば』(スタジオジブリ制作・東宝配給)を題材に,主人公の中学生・雫の成長と,それを支えた周囲の支援のありかたについて心理臨床学的な視点から検討をおこなうことである。  思春期は,子どもから大人へと大きく転換する激動の時期であり,いわば子どもの自分を壊し,大人の自分へと作りかえるスクラップアンドビルドの時期である。彼らは,理想と現実の狭間で不安定になりがちであるにもかかわらず,反抗期を迎え大人には素直に悩みを相談できなくなる。そうした思春期の子どもたちに,われわれはいかに関われば良いのだろうか。  映画の中で,雫は物語を書く夢を抱きつつも,才能に不安を感じ,また限界に直面して落ち込んでしまうことがあった。そんな苦悩する雫に対する周囲の関わりを心理臨床学的に読み解いていくことで,思春期の子どもたちへの支援の一助となると考える。

収録刊行物

  • 人間文化研究

    人間文化研究 50 7-38, 2023-03-31

    京都先端科学大学人間文化学会

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