後天性血友病Aに対してプレドニゾロン(PSL)とシクロフォスファミド(CPA)併用療法が有効であった1例

  • 石塚 晃介
    横派市立大学医学部医学科 5 年(2016. 5現在 6 年)
  • 松本 憲ニ
    横浜市立大学附属市民総合医療センター 血液内科
  • 本橋 賢治
    横浜市立大学附属市民総合医療センター 血液内科
  • 石井 好美
    横浜市立大学附属市民総合医療センター 血液内科
  • 藤澤 信
    横浜市立大学附属市民総合医療センター 血液内科
  • 長谷川 修
    横浜市立大学附属市民総合医療センター 総合診療科

書誌事項

タイトル別名
  • 症例報告 後天性血友病Aに対してプレドニゾロン(PSL)とシクロフォスファミド(CPA)併用療法が有効であった1例
  • ショウレイ ホウコク コウテンセイ ケツユウビョウ A ニ タイシテ プレドニゾロン(PSL)ト シクロフォスファミド(CPA)ヘイヨウ リョウホウ ガ ユウコウ デ アッタ 1レイ

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抄録

症例は 60 歳代男性で,心筋梗塞および大腸癌の既往があり,2 型糖尿病,高血圧症,脂質異常症,後腹膜線維症の治療中であった。 特別の誘因なく,右臀部の皮下血腫,体幹・四肢の紫斑が出現した。血小板数正常,PT正常であったが,APTT延長,lupus anticoagulant陰性,anti-cardiolipin抗体陰性であった。 von Wille-brand因子活性低下はなかったが,第Ⅷ因子活性が低下し,第Ⅷ因子インヒビター陽性により,後天性血友病Aと診断した。 入院 4 日後からバイパス製剤に加えて,prednisolone(PSL) 1 mg/kg/日を開始したが改善せず,入院 16 日目からcyclophosphamide (CPA)100mg/日を追加した。 APTTはその後改善したため,約 2 カ月後退院となった。本症例では後天性血友病Aに対して,PSL単独よりもPSLとCPAの併用療法が有効であったが,経過中にサイトメガロウイルス胃炎を発症した。 免疫抑制と感染リスクは相反するため,患者背景に合わせて慎重に治療を行う必要がある。

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