高校生の食事摂取行動に関わる構造モデル

書誌事項

タイトル別名
  • Structural Model of Dietary Intake Behaviors in High School Students: Linking Nutritional Knowledge, Dietary and Lifestyle Habit Self-Efficacy, and Stage of Eating Behavior Change
  • ─食・栄養知識,食・生活習慣セルフエフィカシー,食行動変容ステージとの関連─

抄録

<p>【目的】高校生の食・栄養知識と食・生活習慣セルフエフィカシー,食行動変容ステージ及び食事摂取状況における因果構造的な関連を検証する。</p><p>【方法】兵庫県A市の公立高等学校に在籍する2021年度2年生278名のうち,回答が得られた254名を対象とした。食・栄養知識は中学校で学習する15項目の尺度を用い,信頼性を確認するとともに,これが影響する観測変数として,食・生活習慣セルフエフィカシー (12項目),食行動変容ステージ (Transtheoretical Modelに基づいた5段階),食事摂取状況 (日本人の食事摂取基準をもとにスコア化) を用いた仮説モデルを立て,共分散構造分析をした。</p><p>【結果】本仮説モデルの配置不変性を検討した結果,許容範囲の適合度が得られ (χ2=192.145,df=134,GFI=0.917,AGFI=0.851,CFI=0.955,RMSEA=0.041,AIC=404.145),男女ともに食・栄養知識が,食・生活習慣セルフエフィカシーに有意な正のパス (標準化推定値:男子0.60,女子0.55,共にp<0.001),そこから男子では食行動変容ステージへのパス (0.25,p=0.033) を介して食事摂取状況 (0.20,p=0.028) に影響を及ぼす間接効果が示された。</p><p>【結論】高校2年生では,男女ともに中学校で学習する食・栄養知識が高いほど食・生活習慣セルフエフィカシーが高くなり,さらに男子では,食行動変容ステージの向上を介して,食事摂取状況に影響を及ぼす可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 81 (6), 288-298, 2023-12-01

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

参考文献 (14)*注記

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