日本とドイツの数学教科書における証明概念の規定の比較

DOI

抄録

<p>異なる文化圏ではアーギュメンテーションや証明の形態も異なり,その相違は,学校数学における証明の導入の仕方にも現れるだろう.本研究ではこのような考えを背景として,日本とドイツ(ブレーメン州)の数学教科書における証明概念の規定のされ方を調査した.その結果,ドイツでは5つのシリーズのうち1つのみが「証明」という語の意味を本文中で説明していることがわかり,また,その概念規定と日本の教科書におけるそれらとの間には,何を証明の対象としているのかについて特徴的な相違があるという仮説が得られた.具体的には,ドイツでは「言明Aussage」の正しさが対象になっているのに対し,日本では言明が表現する「ことがら」の正しさに注意が向けられているという仮説である.本稿ではまた,そのような相違を生じさせる要因を高/低コンテクスト文化という枠組みから考察し,提示した仮説が妥当であることの説明を試みる.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298897684251648
  • DOI
    10.14935/jssep.47.0_239
  • ISSN
    24332925
    09134476
    21863628
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ