僧帽弁位人工弁周囲逆流に対するVascular plug閉鎖半年後に発症した人工弁機能不全による高齢者心不全の1例

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  • Advanced Elderly Heart Failure Caused by Late-Onset Valve Leaflet Interference With Transcatheter Paravalvular Leakage Closure in Mitral Prosthetic Valve:Report of a Case

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抄録

<p> 症例は急性肺水腫を繰り返す82歳の女性.67歳の時,大動脈弁と僧帽弁の連合弁膜症に対し機械弁置換術を施行されている.81歳,僧帽弁位機械弁の弁周囲逆流(PVL)による溶血性貧血が出現した.貧血の進行に伴い易疲労感ならびに軽労作での息切れの増悪を認めた.外科的再開胸手術の同意を得られず,82歳,X年2月,他院にてAmplatzerTM vascular plug(AVP)Ⅱを用いた経皮的PVL閉鎖術を受けた.以後PVLは消失し貧血の改善とともに症状は寛解した.閉鎖術半年後のX年8月,肺水腫を主とする新規の急性心不全が出現した.利尿薬の調整にて外来診療で経過を診ていたが9月以降,軽労作による呼吸困難が繰り返し出現するようになった.X年10月,救急受診時の経胸壁心エコー検査にて左房─左室平均圧較差12 mmHgの高値を認めた.X線弁透視検査,経食道心エコー検査ならびにCT検査にてAVPⅡと干渉する僧帽弁位傾斜型ディスク弁の開放制限を確認した.今回PVL閉鎖術半年後に発症したvascular plug干渉による僧帽弁位人工弁機能不全を原因とする高齢者心不全を経験したので報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 55 (1), 87-92, 2023-01-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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