腹腔鏡下卵巣囊腫摘出術を契機に診断した性交歴がないFitz-Hugh-Curtis症候群の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of Fitz-Hugh-Curtis syndrome with no sexual history diagnosed during laparoscopic ovarian cystectomy
  • フククウキョウ カ ランソウ ノウシュ テキシュツジュツ オ ケイキ ニ シンダン シタ セイコウレキ ガ ナイ Fitz-Hugh-Curtis ショウコウグン ノ 1レイ

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説明

Fitz-Hugh-Cuitis症候群(Fitz-Hugh-Curtis syndrome;FHCS)は骨盤内腹膜炎(pelvic inflammatory disease;PID)に伴う肝周囲炎で,PIDの12.0―13.8%にみられる.主な病原体は性的接触を介し感染するクラミジアおよび淋菌である.今回,性交歴がないFHCSの1例を経験した.症例は37歳女性,0妊0産.良性卵巣囊腫に対し腹腔鏡下卵巣囊腫摘出術(total laparoscopic-cystectomy;TLC)を実施 し,術中観察では肝周囲にviolin string 状の索状物を伴った著明な線維性癒着を認めた.同所見はFHCSのDefinitive Criteriaである.TLCを行う数カ月前に,本例は臍周囲の腹痛および虫垂炎に伴う右側腹部痛のエピソードがあった.臍周囲の腹痛はPIDによる可能性があるため,本例は非性感染性PIDまたは虫垂炎にFHCSが併発または続発したと考えられる.〔産婦の進歩76(1):8―15,2024(令和6年2月)〕

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