甲状腺に発生した好酸球増多を伴う硬化性粘表皮癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Sclerosing Mucoepidermoid Carcinoma with Eosinophilia of the Thyroid Gland
  • コウジョウセン ニ ハッセイ シタ コウサンキュウ ゾウ タ オ トモナウ コウカセイネンヒョウヒガン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は69歳,男性.30年前より慢性甲状腺炎に伴う甲状腺機能低下症を指摘され,レボチロキシンナトリウム水和物による補充療法が行われていた.約20年前より増大する甲状腺右葉結節に対して穿刺吸引細胞診が行われ,好酸性細胞型濾胞性腫瘍が疑われ,当院を紹介受診となった.頸部エコーでは濾胞癌の可能性も否定できず,診断的治療として手術を行う方針とし,甲状腺右葉切除術を施行した.病理検査所見では散在する腫瘍胞巣は扁平上皮細胞への分化を伴った細胞と粘液産生細胞を示し,部分的に腺腔構造も認められた.線維性間質に好酸球・リンパ球・形質細胞の浸潤が目立ち,好酸球増多を伴う硬化性粘表皮癌(sclerosing mucoepidermoid carcinoma with eosinophilia:以下,SMECE)と診断した.</p><p>SMECEは1991年にChanらが初めて提唱し,甲状腺癌取扱い規約第8版にも甲状腺腫瘍の組織学的分類にその他の腫瘍の一つとして記載されているが,現在までSMECEとして自験例を含めた69例の報告例しかなく,非常に稀である.若干の文献的考察を加えて報告する.</p>

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参考文献 (12)*注記

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