皮質性くも膜下出血により可逆性脳血管れん縮症候群の診断に至った小児の2例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Two pediatric cases of reversible cerebral vasoconstriction syndrome due to cortical subarachnoid hemorrhaging

この論文をさがす

抄録

<p> 可逆性脳血管れん縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome;RCVS)は主に雷鳴頭痛によって発症し,多発性可逆性分節性脳血管れん縮を認める症候群であり,20~50歳の女性に好発する.一般的に予後良好であるが,脳内出血,くも膜下出血,後部可逆性脳症症候群(posterior reversible encephalopathy syndrome)などを合併することがある.症例は,生来健康な7歳男児と12歳男子である.いずれの症例も雷鳴頭痛で発症し,皮質性くも膜下出血を認めた.その後の頭部CT angiographyや頭部MR angiographyで多発性血管れん縮所見を認め,RCVSの診断に至った.1例にCa拮抗薬の投与を行い,いずれも神経学的な後遺症なく軽快した.小児においても雷鳴頭痛や皮質性くも膜下出血をみた場合,RCVSを鑑別に挙げ,経時的な画像検査を行うことが重要であると考える.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 56 (1), 53-57, 2024

    一般社団法人 日本小児神経学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ