液状活性炭注入による黒ボク土中PFAS安定化技術のISO21675を用いた評価

  • 山﨑 絵理子
    産業技術総合研究所計量標準総合センター物質計測標準研究部門有機組成標準研究グループ
  • 谷保 佐知
    産業技術総合研究所環境創生研究部門環境計測技術研究グループ
  • 羽成 修康
    産業技術総合研究所計量標準総合センター物質計測標準研究部門有機組成標準研究グループ
  • 三木 芳恵
    三浦工業株式会社三浦環境科学研究所科学分析センター科学分析課
  • 金子 蒼平
    株式会社環境総合リサーチ中部事業所分析ソリューション部
  • 山下 信義
    産業技術総合研究所環境創生研究部門環境計測技術研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Stabilization Technique for PFAS in Andosol by Injecting Liquid Activated Charcoal Using ISO 21675

抄録

<p>土壌中ペル及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)処理技術開発の一環として,ライシメータ試験を行い,土壌浸出水中のPFASをISO 21675を用いて測定した.具体的には液状活性炭をライシメータに注入することでPFASを吸着できるバリアを土壌中に作成し,添加した河川水中のPFASの拡散を防止できるかどうかをライシメータ浸出水中PFASの多成分分析により評価した.その結果,短期間の試験結果ではあるが,液状活性炭注入技術により多くのPFASについて土壌中安定化効果の可能性が示唆された.また,吸着剤の性能だけではなく,土壌中での吸着剤の分散過程がPFASの吸着・安定化に影響することも明らかになった.粒子吸着性の高いペルフルオロスルホン酸類(PFSA)と水溶解性の高いペルフルオロカルボン酸類(PFCA)は土壌中挙動が大きく異なること,土壌中の有機態炭素量がPFSAの移動速度に影響する可能性があること等がわかった.これらの結果は国内土壌黒ボク土のPFAS汚染の環境修復技術開発においてISO 21675に代表される高精度多成分分析による有効性評価が必須であることを示す貴重な知見である.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 73 (1.2), 31-37, 2024-01-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (8)*注記

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