肝臓ダイナミックCT検査における被検者因子と造影効果の相関関係の調査:性別による比較

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タイトル別名
  • Investigation of the Correlation between Patient Characteristics and Contrast Enhancement during Hepatic Dynamic CT Scan: Comparison by the Sex

抄録

<p>【目的】本研究は,男女間で被検者因子である年齢,HT, TBW, BMI, LBWおよびBSAと肝臓ダイナミックCT検査における肝動脈相の腹部大動脈および門脈相での肝臓実質のCT値増強の相関関係を明らかにすることを目的とした.【方法】2021年1月から2021年6月の期間に肝臓ダイナミックCT検査を行った191例を後ろ向きに登録した.CT装置は80列MDCTであるAquilion Prime SPを使用した(管電圧:120 kV,管電流:自動管電流調整機能使用,noise index 8.0 HU,スライス厚5 mm,管球回転時間:0.5 s/rotation,ヘリカルピッチ:0.813または0.825,再構成関数:FC03).ヨード造影剤は600 mgI/kgを使用した.腹部大動脈と肝臓実質の造影後画像のCT値から単純画像のCT値を差分し,投与ヨード量で除してヨード1グラムあたりのCT値増強の変化(ΔHU/gI)を単純,肝動脈相,門脈相から算出した.被検者因子である年齢,体重(TBW),身長(HT),ボディマス指数(BMI),除脂肪体重(LBW),および体表面積(BSA)と腹部大動脈および肝臓実質のΔHU/gIの相関関係を比較した.【結果】腹部大動脈のCT値増強は,男性で8.6±2.7 ΔHU/gI,女性で9.5±1.7 ΔHU/gI,肝臓実質のCT値増強は,男性で1.4±0.5 ΔHU/gI,女性で2.9±0.5 ΔHU/gIと有意に女性が高値を示す傾向にあった(p<0.05).腹部大動脈のΔHU/gIと被検者の年齢との間には男性,女性ともに弱い正の相関が認められた(r=0.382 and 0.213)(p<0.05).腹部大動脈のΔHU/gIとHT(r=−0.466 and −0.251),TBW(r=−0.609 and −0.535),BMI(r=−0.505 and −0.465,LBW(r=−0.642 and −0.576),BSA(r=−0.644 and −0.577)との間には男性,女性ともに負の相関が認められた(いずれもp<0.05).肝臓実質のCT値増強のΔHU/gIと被検者の年齢との間には男性,女性ともに弱い正の相関が認められた(r=0.258 and 0.150)(p<0.05).肝臓実質のCT値増強のΔHU/gIとHT(r=−0.487 and −0.321),TBW(r=−0.580 and −0.525),BMI(r=−0.473 and −0.413),LBW(r=−0.615 and −0.576),BSA(r=−0.617 and −0.558)との間には男性,女性ともに負の相関が認められた(いずれもp<0.05).【結語】男女間で被検者因子である年齢,HT, TBW, BMI, LBWおよびBSAと肝臓ダイナミックCT検査における肝動脈相の腹部大動脈および門脈相での肝臓実質のΔHU/gIの相関関係を明らかにし,男性ではBSAが女性ではLBWが最もΔHU/gIと高い相関がみられた被検者因子であった.</p>

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参考文献 (18)*注記

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