内視鏡で摘除し得た直腸Press Through Package(PTP)の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of a Rectal Press-through Package that could be Endoscopically Removed

抄録

<p>症例は76歳男性.数日前からの排便時痛で当院受診した.直腸診では,肛門6時方向に裂肛を触れた.またやや鋭利な何かを触れる印象はあったが明瞭ではなかった.痛みで肛門の緊張が強く肛門鏡では6時方向の裂肛を確認したのみであった.肛門の軟膏と鎮痛薬で保存的に加療したが,1週間後も痛みは改善しておらず,魚骨などによる肛門陰窩付近で限局性膿瘍も想定し,直腸内視鏡を施行した.肛門管直上に直径2cm程度のPTPがあり,深い裂肛を形成していた.PTPを回収ネットにて回収した.CTにて縦隔気腫,フリーエアーはなく,肛門の保存的加療で症状は軽快した.</p><p>PTP包装はアルミ箔と塩化ビニールによる薬剤包装形態であり,誤飲による消化管損傷がしばしば報告されるが,直腸肛門領域で障害をおこすことは稀である.PTPによる裂肛をきたした直腸異物を経験し内視鏡的に摘除することに成功したため,若干の文献的考察を含めて報告する.</p>

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参考文献 (4)*注記

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