脳移行ペプチド

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  • 松井 利郎
    九州大学農学研究院生命機能科学部門食料化学工学講座食品分析学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Blood-brain Transportable Peptides
  • ノウ イコウ ペプチド

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説明

<p>認知症は増加の一途であり, 健康寿命延伸に対して大きな障壁となっている疾患のひとつである。2050年には世界では罹患者数が現在の約3倍 (1億3千万人以上) になるのではとも推定されている。認知症の約7割を占めるアルツハイマー型認知症では, その発症に脳内でのアミロイドβの蓄積が関わっているとされ, アセチルコリンなどの神経伝達因子が障害を受ける。しかしながら, 認知症発症は数十年前からの無症状段階から徐々に進行するとされるため, 発症リスクを回避, 予見するため超早期での確定診断法の樹立が望まれている。他方, ヒトあるいは動物試験によると, ペプチド摂取の認知機能改善効果を示唆する知見が報告されており, 食品因子による認知症予防が期待できる。なお, ペプチドの直接的な脳機能改善作用を実証するには, そのままの形で血液脳関門 (Blood-Brain Barrier) を透過し, 脳実質へと移行, 蓄積すること, 要するに生体利用性を明らかにする必要がある。そこで本稿では, ペプチドの脳移行性を中心に概説する。</p>

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