衛星画像と地形情報を活用した圃場内の土壌物理性不良エリアの評価 II. 排水性不良

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タイトル別名
  • Evaluation of soil physical properties in agricultural fields using satellite images and topographic information II. Poor drainage

抄録

<p>一筆圃場内の排水性不良を見出すことを目的に,北海道十勝管内の畑作圃場において衛星画像や地形情報と排水性との関係を解析した.秋まきコムギの正規化植生指数(NDVI)が幼穂形成期頃は一筆圃場内で相対的に低いが収穫前には逆転する不良エリアでは,対照となるエリアと比べて斑紋やグライ層が出現する上端や地下水位が浅く,飽和透水係数が低かった.このような不良エリアでは(1)初期生育が遅延し,生育後半には心土からの窒素・水分供給が卓越したために生育が旺盛となった,または(2)豪雨による冠水に伴い秋まき小麦が枯死し,その後雑草が繁茂したと考えられ,いずれの場合も排水性不良の可能性が高い.また,各圃場では生育初期のNDVIと標高の間には有意な正の相関がみられ(P<0.001),地形的な低部への集水も排水性不良の一因であると考えられた.同一圃場の異なる気象条件でNDVIの推移を確認したところ,排水性不良エリアにおけるNDVIの遅延は,降水量が平年並みの年には確認されたが,少雨年では確認できなかった.結論として,同様の肥培管理を行ってきた障害発生のない一筆圃場において,降水量が平年並み以上の年で秋まきコムギのNDVIが幼穂形成期頃には低いが収穫前には逆転して高くなる地形的低部は排水性不良の可能性が高い.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299318848769792
  • DOI
    10.20710/dojo.95.1_21
  • ISSN
    24240583
    00290610
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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