部分加水分解した羊毛繊維のtrans-2-ノネナールに対する消臭性

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タイトル別名
  • Deodorization Performance of Partially Hydrolyzed Wool Fibers for <i>Trans</i>-2-nonenal

抄録

<p>化学処理によって廃羊毛繊維に消臭機能を付与し消臭材料として再利用することを最終目的として,塩酸で羊毛繊維を部分加水分解しtrans-2- ノネナールに対する消臭性能の向上を試みた.この結果,部分加水分解によって羊毛繊維の消臭性能は明らかに向上し,さらにこの羊毛繊維を含水させると,消臭性能は顕著に高くなることを見出した.またこの処理羊毛の消臭性は羊毛中の1 級アミノ基量と高い相関関係を示した.6mol/l 塩酸で部分加水分解し含水した羊毛の消臭性能はノネナールの高濃度雰囲気下での消臭試験を20 回繰り返しても低下しなかった.消臭試験でのノネナールの減少量は,試験後の処理羊毛繊維に吸着したノネナール量と等しかったことから,ノネナールは化学結合を形成せずに繊維に吸着すると考えられる.ノネナールの処理羊毛繊維への吸着は物理吸着に加え,繊維基質とノネナールの間での静電引力に起因すると推測された.</p>

収録刊行物

  • 繊維製品消費科学

    繊維製品消費科学 65 (2), 112-118, 2024-02-27

    一般社団法人 日本繊維製品消費科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299318849039232
  • DOI
    10.11419/senshoshi.65.2_112
  • ISSN
    18846599
    00372072
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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