TransitID−細胞内/細胞間におけるタンパク質輸送の動的網羅解析法の確立

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抄録

近年,細胞内特定区画(細胞小器官など)間における分子往来の重要性を示唆する報告が多数され,分子移動の追跡に対して強い興味が持たれている.その解析には,BioID法などの分子標識法や,免疫蛍光染色法が用いられているが,いずれの手法でも時間情報を欠いたスナップショット的な情報しか得られない.本稿では,2種の近位依存性標識酵素(TurboID,APEX2)を併用することでその課題を克服し,細胞内あるいは細胞間における「ある場所(出発点)からある場所(到着点)への分子移動」の網羅的追跡を実現した新手法,「Trafficking analysis by sequential incorporation of tags for identification(TransitID)」の概要とその応用例を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Qin W. et al., Cell, 186, 3307–3324(2023).<br>2) Benjamin W., Pavel I., Nat. Rev. Neurosci., 20, 649-666(2019).<br>3) Emre B. et al., Int. J. Mol. Sci., 22, 5736 (2021).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 60 (3), 238-238, 2024

    公益社団法人 日本薬学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299318867529600
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.60.3_238
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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