熟練評価者によるGRBAS尺度の再現性に関する検討

  • 小崎 晃裕
    名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 讃岐 徹治
    名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 竹本 直樹
    名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 大谷 隆浩
    名古屋市立大学大学院医学研究科公衆衛生学
  • 岩﨑 真一
    名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Reproducibility of the GRBAS Scale for Dysphonia When Used by Experienced Speech-Language Pathologists

抄録

<p>嗄声における聴覚心理的評価法(GRBAS尺度)は,再現性が検者の熟練度に依存するために,検者間および検者内の一部の尺度は再現性が低いとされている.今回の検討では,10年以上の音声障害診療経験のある熟練言語聴覚士3名を検者として,音声障害患者74例の録音音声をGRBAS尺度で評価し,期間をおいて再度同症例をランダム化して再評価した.検者内信頼性評価のために1回目の評点と2回目の評点の一致度を評価し,3人の評価の一致度から検者間信頼性評価を行った.結果として,検者内においてGRBAS尺度のすべての尺度で評点はおおむね一致していたが,検者間におけるR尺度とS尺度は特に再現性に乏しかった.検者内一致度は高いために,同一検者による評価は有用であると考えられるが,検者間評価においては,熟練の言語聴覚士間でも複数の尺度の評価が異なる場合があった.以上からGRBAS尺度に代わる新しい客観的評価の作成が望まれた.</p>

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