血液悪性腫瘍治療における意思決定プロセスに関する研究

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書誌事項

タイトル別名
  • Decision making in hematologic malignancy treatment

抄録

本研究は,血液悪性腫瘍治療中の患者の意思決定過程に着目したものである。患者,医療者,家族の関わりを観察することを通して,意思決定支援の実態を把握するとともに,共通理解を図る際の課題を明らかにすることを目的とした。本稿は意思決定プロセスに関するエスノグラフィー調査をまとめたものである。症状の急変や治療法の頻繁な変化に直面する70歳代の男性の症例を取りあげ,参与観察とインタビューを中心に調査を実施した。意思決定プロセスを「お任せ」「転換期」そして「2つの橋渡し」といった3段階に分類し,面談の主題分析を行った。その結果,家族関係と生活課題に重点を置く患者と,症状,治療法とその効果に注目する主治医との認識の違いが確認されたほか,家族内のコミュニケーションの課題が浮き彫りになった。共通理解の際の課題が意思決定プロセスにおいてどのように反映され,意思決定の方向性と内容をどのように変えていくかについて観察できたほか,患者と主治医の視点の統合への道筋が示唆された。

収録刊行物

  • 死の臨床

    死の臨床 advpub (0), 2024

    一般社団法人 日本死の臨床研究会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299362595253760
  • DOI
    10.34317/jjard.jjrd-d-23-00006
  • ISSN
    24349089
    09124292
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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