《研究ノート》コロナ禍における笑顔マスク作成とその効果に関する予備的研究

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抄録

新型コロナウィルス感染症(Covid-19)登場により,私たちはマスク着用,三密回避などの新しい生活様式の順守が求められるようになった。コロナ禍においてはマスク着用により顔の下半分が覆われてしまい,私たちは表情の表現と識別が困難になってしまった。そこで本研究ではマスク生活を少しでも楽しく過ごし,マスク着用下にあって笑顔や微笑(スマイル)の表情を補うために笑顔マスクの作成を行った。これらの実践報告及び基礎的な研究としてストレス値(唾液中アミラーゼ値)の測定を行い,その効果を検証することを目的とした。笑顔マスク作成においては不織布マスク(白色)やKF95マスク(韓国製・黒色)を使用した。笑顔マスクの作成により,笑顔を表現できるよう口元の表情を補うことで,お互いのコミュニケーションがより円滑になる印象を受けた。今後は対人援助領域等における多方面での活用が期待される。また,笑顔マスク作成前後における唾液中アミラーゼ値に関する予備的な検討からは,他者と一緒にマスクを作成するという行為そのものがストレス値を低減させる可能性も示唆された。本研究では対照群が設けられておらず,またサンプルサイズも小さいことから断定的な表現はできないが,笑顔を思い浮かべて仲間等と楽しみながらマスクを作成するという行為そのものにストレス緩和効果が期待できるのかもしれない。

収録刊行物

  • 笑い学研究

    笑い学研究 30 (0), 121-128, 2023-08-26

    日本笑い学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299362606566272
  • DOI
    10.18991/warai.30.0_121
  • ISSN
    24239054
    21894132
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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