「笑いの環境(空間)を醸成する要素」の一考察

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  • 上方落語の草創期に見る

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由来、上方落語関係資料は江戸のソレに比べて極めて少ない。それゆえその歴史を辿るのは困難を極めている。そうしたことから先人たちは、例え断編零楮であってもピンセットで摘まみ上げるようにして、報告を続けて来られた。  しかし、今もって状況は変わってはいない。そこで視点を変えて、研究書に屡引用される咄本等の本文はもとより、奥付に見られる宣伝文句等から演者と水茶屋の関係や見料(木戸銭)に着目し、上方落語の歴史を探った。  即ち大道で水茶屋と共栄していた落語家が、場所を屋内(主として寄席)に移した時、それまで木戸銭に当たる茶代は聴客の「代価お心持」だったのが、経営者側が示す金額を支払うこととなり立場が逆転すると言った変遷などを辿った。上方落語の場合、初代桂文治が寄席を創設した寛政期を境に、こうしたシステムが導入されたもの と思われる。  拙稿では、こうした狭義の経済活動や建物の変化が、聴客に与えた影響は何であったか等を見詰めた。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390299362606569472
  • DOI
    10.18991/warai.30.0_51
  • ISSN
    24239054
    21894132
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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