中国厦門市農村部におけるコミュニティ活性化

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抄録

<p><tt> 本論は、筆者が2016 年から中国の廈門市農村部で実施してきたコミュニティ活性化のアクションリサーチについて報告するものである。中国では改革開放後、都市部と農村部の地域コミュニティは異なる変遷を辿ってきた。都市部では単位の解体と都市化の急速な進展により、隣人との関係が希薄化する「隣は何をする人ぞ」の無縁社会が形成されたが、農村部では一時的に消滅したと思われた宗族コミュニティが再び復活し、自然村(集落)を基盤として強固に存在している。 華僑発祥の地である東南沿岸部では特にその傾向が顕著で、廈門市もその代表例である。多くの地域で伝統的な宗族共同体が存続しており、筆者のフィールドである同安区田洋村(テンヤン)もその一つである。コミュニティが既に構築されているという点では、都市部よりも活性化の可能性が高いと言えるが、宗族共同体の閉鎖性は重要な課題である。筆者は田洋村で研究者としてのみならず、サポーターとしても関わり、宗族共同体の活動を同族だけでなく他者にも開放することで、コミュニティの変容を促した。本論では、その過程で生じた宗族アイデンティティーの再構築と共感を喚起する仕掛けという二つの観点から分析する。</tt><tt> </tt></p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299373648614400
  • DOI
    10.11245/jgd.41.43
  • ISSN
    21872872
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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