廃棄野菜から作った紙の上での細胞培養における増殖低下~次世代型がん治療の開発を目指して~

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タイトル別名
  • vegetable-originated paper serves cell culture substrate but regulates cell proliferation

抄録

<p>【目的】本研究では、野菜から作製した紙の活用法として、癌細胞が好んで接着するものの、増殖抑制する機能を有する、医療用野菜紙の開発を目指す。癌患部を本医療用野菜紙で覆えば、癌を縮小することが可能となる。我々はこれまでの癌細胞研究から、癌細胞選択的増殖抑制シグナルが生じる条件を見出しており、本医療用野菜紙を、そのようなシグナルを生じる構造体となせば、周囲の正常細胞に影響を与えない。本研究は、食品成分を利用しつつ、薬物を使わずに癌治療に貢献する点において、SDGsに寄与する次世代型がん治療研究である。まずは、材料となる野菜の種類、紙の作製法による、細胞接着・増殖への影響について検討した。 </p><p>【方法】廃棄野菜を用いて、鍋に野菜(500mg以上)と重曹(30g、野菜の繊維を壊すため)と水(500ml)を加えて煮込んだ。乾燥後、オートクレーブで滅菌し、野菜紙を得た。その野菜紙(約0.3g、2cm×2cm)に緑色蛍光タンパク質を発現させたHEK293細胞(GFP293)(5×105cells)をかけ培養した。</p><p>【結果と考察】キャベツのみから作った紙では紙の中に細胞が入り込み、増殖し維持している状態である。様々な野菜(キャベツ、にんじん、玉ねぎ、レモンなど)から作った紙では、2日目までは増殖したが、3日目で全滅した。また、紙を作る際の接着剤についてはアロンアルファよりもボンドの方が細胞の接着がよかった。今後、増殖を左右した要因に、野菜種や製法がどのように関与するか検討していく。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299395584573952
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_p1-083s
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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