甲状腺影響による発達神経毒性ポテンシャルのスクリーニング:脳追加解析と動物数半減を特徴とした改良型 Comparative Thyroid Assayの活用

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  • A screening for thyroid hormone disruption-induced developmental neurotoxicity: a proposal for the use of a modified comparative thyroid assay with additional parameters and reduced number of animals

抄録

<p>子供の脳発達には甲状腺ホルモン(TH)が必須であることから、血中TH濃度を低下させる化学物質には発達神経毒性(DNT)が懸念されている。DNTを特定するガイドライン試験の実施には多大な資源を要することから、DNT試験に供試すべき化合物を適切・迅速に事前識別する方法の開発が切望される。近年、我々はラットの母動物と児動物の血中TH濃度への影響を調べるComparative Thyroid Assay(CTA、米国環境保護庁)に関し、児動物の脳中TH濃度測定や脳病理検査を追加した上で動物数を半減させた改良型CTAの実用性検証に着手した。既に、①TH合成阻害剤6-propylthiouracil(6-PTU, 10 ppm)の投与で、母動物での顕著な(>70%)血中TH濃度の低下、児動物での顕著な(>50%)血中・脳中TH濃度の低下や脳の組織異常(Heterotopia)が検出可能であること、②肝代謝酵素誘導剤sodium phenobarbital(NaPB, 1000 ppm)の投与で、母動物で軽度な(<35%)血中TH濃度の低下、胎児で軽度な(<35%)血中・脳中TH濃度の低下が検出されるものの、哺育児にTH濃度低下や脳の組織異常は誘発されないこと(再現性あり)を確認し本学会で報告した。今回、③TH濃度低下と脳組織学的異常の相関性を知るため、Heterotopia形成の臨界期(GD19-LD2)に6-PTU(0, 1, 3, 10 ppm)を投与した結果、母動物の血中TH濃度や児動物の血中・脳中TH濃度の低下、離乳児(生後21日)のHeterotopia形成が、いずれも用量依存的に出現することを確認した。①‐③の結果から改良型CTAは児動物へのTH影響評価法として実用性があると考えられるので、DNT試験への供試化合物スクリーニング法として、改良型CTA の活用を提案する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299395584675584
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_p2-151
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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