多項目in vitro実験データを用いたDILI予測モデル構築
書誌事項
- タイトル別名
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- Development of DILI risk prediction model using multiple in vitro assay data
説明
<p>【背景】薬剤性肝障害(DILI)は医薬品の市場撤退及び開発中止の原因となる重要な要因の一つである。また,DILIの発生メカニズムは多岐にわたるため,一つの実験系で発生予測を行うことが困難とされている。従っていくつかの実験を行い、総合的に判断することが精度の良いリスク評価につながることが報告されており,今日までに様々な取り組みがされているが、まだ統一的な方法論は確立されていない。 </p><p>【方法】そこで我々はin vitro実験データを中心としたDILI予測システムを構築することとした。105個の臨床安全性既知の化合物に対して、サンドイッチカルチャーを用いた薬剤性胆汁うっ滞,HepG2細胞を用いたミトコンドリア毒性,及び反応性代謝物検出試験の3項目実験データを取得した。また、臨床におけるdaily max dose及びアシルグルクロニドの生成強度をスコア化した変数らを組み込み、機械学習を利用したDILI予測モデルを構築した。なお、医薬品の臨床安全性情報は、FDAのDILI rankを参照し、Most, less, 及びNo-concernedの3値分類又は、毒性有り無しの2値分類としてモデル構築を実施した。 </p><p>【結果・まとめ】様々な機械学習アルゴリズムと、特徴量の組み合わせを検証し、最も高精度かつ汎化性能の高いモデルを選出した。現状3値分類問題としての正答率は55%、2値分類モデルとしては75%程度の性能を示した。今後、より有効なin vitro実験項目の探索を進めると同時に、化合物構造情報等を組み込み、更なる精度向上を目指す。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P3-266-, 2023
日本毒性学会