新型反復曝露実験によるPFOAの毒性発現分析 - Clofibrateの網羅的エピジェネティク情報を参照して-

DOI
  • 菅野 純
    国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部
  • 相﨑 健一
    国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部
  • 小野 竜一
    国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部
  • 北嶋 聡
    国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 毒性部

書誌事項

タイトル別名
  • Comprehensive transcriptomic analysis on the new repeated dosing study of perfluorooctanic acid with reference to epigenetic information of clofibrate.

抄録

<p>網羅的な解析に依拠した毒性予測と評価の迅速化、高精度化を目的とするPercellome Projectにおいて、遺伝子KOマウスの検討から派生した新型反復曝露実験は、全動物に同量の検体を反復投与し、翌日に用量を振って最終投与を行い、その2、4、8、及び24時間後の遺伝子発現測定を行うプロトコールを採用した。これまでに、曝露の都度に24時間以内に変化する「過渡反応」と、曝露を反復することで増減する「基線反応」に分解できる事を見出した。そして、代表的な検体について、DNAのメチル化の状態とヒストン修飾の変動を、WGBS及びChIP-seq(活性化の指標であるH3K4me3、H3K27Ac、及び、抑制の指標であるのH3K27me3、H3K9me3)を用いて網羅的に測定した。PPARaのリガンドでもあるクロフィブレート(CFB)を例に取ると、14日間の反復曝露により15日目の過渡反応がpdk4、cyp4a14で低下していた。エンハンサ・プロモータ領域の配列を調べると、PPARa等が上流にあり、それらの発現が反復曝露により低下していたことから、過渡反応の低下は上流の抑制で説明がついた。</p><p>今回、PPARaの活性化を誘導するとされるペルフルオロオクタン酸(PFOA)の4日間の新型反復曝露実験を実施した。先ず、単回曝露時の24時間最大無変化量は10㎎/kgであったのに対し、4日間反復曝露のそれは0.1㎎/㎏であった。これはCFBの単回100mg/kg、反復70mg/kgと大きく異なっていた。また、PPARa直下とされるpdk4は発現が遅く24時間目に向かって増加、cyp4a14は、基線反応、過渡反応ともに上昇し、CFBとは異なっていた。ネットワーク描出を基軸とした両者の差異の解析を示すと共に、CFB等のエピジェネティクス情報を参照しての機序解析を試みる(厚生労働行政推進調査事業による)。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299395584820352
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_s2-3
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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