当院の膝前十字靱帯損傷症例における受傷状況の調査

  • 井上 夏香
    早稲田大学スポーツ科学学術院 八王子スポーツ整形外科リハビリテーション部門
  • 佐藤 正裕
    八王子スポーツ整形外科リハビリテーション部門
  • 山口 徹
    八王子スポーツ整形外科
  • 間瀬 泰克
    八王子スポーツ整形外科

書誌事項

タイトル別名
  • Survey of the Injury Situation in Cases of Anterior Cruciate Ligament Injury in Our Clinic
  • トウ イン ノ ヒザ ゼン ジュウジ ジンタイ ソンショウ ショウレイ ニ オケル ジュショウ ジョウキョウ ノ チョウサ

この論文をさがす

抄録

<p>本研究は,当院のACL 損傷者を22 歳以下(グループI),23 歳~39 歳(グループII),40 歳以上(グループIII)の年代にグループ分けし,年代かつ性別におけるACL 受傷状況を調査し,どのような特徴があるかを明らかにすることを目的とした.2017 年1 月~2020 年9 月にACL 再建術を施行した479 名のうち364 名(男性173 名,女性191 名)を対象とした.調査項目は,患者属性,活動レベル,受傷スポーツ,受傷機転,受傷場面とし,グループ間の同性およびグループ内の性別における患者属性と調査項目を比較検討した.ACL 受傷時の活動レベル,受傷機転,受傷場面の割合の差は,χ2 検定を用い,有意水準は5%未満とした.年代が低いと競技レベルの割合が高く,年代が高いほどレクリエーションレベルの割合が高かった.受傷スポーツは年代が低いとサッカー,バスケットボール,ハンドボールの割合が高く,すべてのグループにおいて男性はサッカー,女性はバレーボール,グループIII では男女ともスキーの割合が高かった.受傷機転は,すべてのグループにおいて男性より女性のほうが非接触型損傷の割合が高く,年代が高くなるほど非接触型損傷の割合が高かった.受傷場面は,年代が高くなるほど試合以外での受傷割合が高かった.本研究結果は,先行研究で報告されているACL 受傷状況と同様であり,ACL 損傷は地域,施設特性に影響せず発生すると考えられる.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ