O-9-09 公開模擬倫理カンファレンスの開催

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タイトル別名
  • ーファシリテーターの育成を目指してー

抄録

はじめに 重症心身障害児(者)は自らの意思を正確に表現することが困難であるために、施設内では、家族等を含めた多職種チームでの倫理カンファレンス(以下、倫理CF)で本人の意思を推定し、最善の利益となるような医療やケアが選択されるような取組を行っている。倫理CFの充実は、ファシリテーターに影響すると考えられているが、ファシリテーターは現場の状況の適切な把握と対話力、医療と倫理の両方の知識が必要であり、その人材を育成するには困難さがある。そこで実際に「観て、聞いて、考えること」を目的に模擬倫理カンファレンス(以下、模擬CF)を行い、倫理問題の解決方法およびファシリテーターの育成を目指した取組をおこなったので報告する。 方法 1.対象者:看護師・福祉職 2.実施期間:2019年7月から12月 3.実施方法: 1) 研究者が模擬CFを企画し、症例紹介のためのDVDを作成し模擬CF前に上映 2)DVDで紹介した事例について、研究者が各職種の役割を演じた模擬CFを実施 3)対象者は模擬CFを見学し、アンケート実施。 4)結果は単純集計および自由意見については、意味内容が類似したものを集めカテゴリー化した。 結果 対象者24名から「ファシリテーターの役割の理解」「倫理問題を考えるきっかけ」で『理解できた』が23名「模擬倫理CFは病棟での倫理CFの実施に役立つか」では『理解できた』が22名であった。自由意見では、「倫理CFの進行」「ファシリテーターの姿勢」「4分割表の活用方法」「ファシリテーターの学び」の4つのカテゴリーについて意見を得た。 考察 アンケート結果および自由意見から、座学ではなく、実際に臨床現場に近い状況で再現した模擬倫理CFで観て、聞いて、考えることで、倫理CFの進行方法や倫理問題の考え方およびファシリテーターの役割についての理解につながったと考える。今回の取組を今後のカンファレンスの実施で活かしていきたい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299450896840832
  • DOI
    10.24635/jsmid.46.2_263_1
  • ISSN
    24337307
    13431439
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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