O-12-13 重症心身障害児(者)の在宅生活を支えるICT(情報通信技術)活用

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • −オンライン読み聞かせ会の実践−

抄録

目的 在宅療養の重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))は重篤な運動や呼吸機能障害のために外出の機会が制限され、同年代の児童との交流が乏しく、狭い範囲のコミュニケーションに限定される。近年、急速に発展したICT(情報通信技術)を身体障害者の日常生活や社会参加の支援に活用する研究や事業が一定の成果をあげている。本研究は、重症児(者)や家族の身近な余暇・文化活動の充実を目的にインターネットテレビ電話「Skype」を活用したオンライン読み聞かせ会を開催し、実践の検証、今後の課題について検討した。 方法 対象は4〜11歳の在宅重症児(者)4名であり、1名は未就学児で3名は特別支援学校に在籍している。うち3名が胃瘻造設、2名が24時間人工呼吸器を使用している。2018年7月に開始し、月に2回程度30分間を目途に2〜3冊の絵本・紙芝居を朗読した。読み手は元小学国語教師のボランティアである。保護者や兄弟姉妹も参加した。演者らは通信機器や音響調整、画面操作を行った。 結果 読み手は開始時に参加者全員の名前を呼び、終始和やかな雰囲気で実施された。終了後、参加者は絵本の面白かった場面や気になったことなど感想を述べ合い、家にいながら交流を楽しんでいた様子であった。実践開始当初は、画像の歪みや読み手の声とBGMの音量バランスの不具合などがあり、予定通りの開催が難しかったが、機器を整備し、リハーサルを繰り返しスムースな実践が可能になった。 結論 本研究で実践したオンライン読み聞かせ会は重症児(者)のみならず保護者や兄弟姉妹も気軽に参加し身近な交流場所になった。昨今のCOVIT-19の影響により学習機会やリハビリテーションなど制約などに対応する一助になり得ると考えられる。今後はさらに重症児(者)や家族の思いを聴取しながら、より充実した内容の検討を目指す必要がある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299450896867328
  • DOI
    10.24635/jsmid.46.2_275_1
  • ISSN
    24337307
    13431439
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

問題の指摘

ページトップへ