乳用牛群におけるゲノミックヤングサイアの利用に関するリスク評価

書誌事項

タイトル別名
  • Risk of using genomically-tested young Holstein sires in Japanese dairy herds

抄録

<p>ゲノミック選抜されたホルスタイン若雄牛(GYS)を牛群で利用することのリスクを評価した.種雄牛を交配して得た後代の真のNTPが,母牛のNTP推定値を下回る確率をリスクと定義した.2023年8月時点で利用可能な乳用種雄牛を,乳用牛群検定を受けた娘牛を60頭以上もつ種雄牛(BULL-OLD),1頭以上59頭以下もつ種雄牛(BULL-NEW),1頭ももたないGYS(BULL-GYS)に区分した.交配相手は,2020年に誕生した雌牛(COW-2020)および2022年生まれでゲノミック評価値をもつ若雌牛(HEI-2022)であった.各区分について,NTP公表値の平均値をもつ仮想個体を想定し,親とした.後代の真のNTPは,両親平均値を期待値とし,両親平均の予測誤差分散とメンデリアンサンプリング分散の和を分散とする正規分布をなすとした.母牛をCOW-2020(HEI-2022)とするときのリスクは,BULL-OLDで14.4%(23.2%),BULL-NEWで10.2%(17.1%),BULL-GYSで2.1%(4.1%)であった.牛群の真のNTPを改善するには,GYSの利用が効果的である.</p>

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 95 (1), 31-37, 2024-02-25

    公益社団法人 日本畜産学会

参考文献 (5)*注記

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