術前診断において精巣上皮腫様形態を示した胸腺リンパ上皮腫様癌の1切除例

  • 中村 勝也
    独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院外科
  • 松本 昂
    独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院外科
  • 生田 安司
    独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院外科
  • 岩崎 健
    独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院病理診断科 九州大学医学研究院形態機能病理学教室
  • 山元 英祟
    九州大学医学研究院形態機能病理学教室 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腫瘍病理学教室
  • 内山 明彦
    独立行政法人地域医療機能推進機構九州病院外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of neo-adjuvant BEP chemotherapy and total thymectomy for thymic lymphoepithelial carcinoma

抄録

<p>症例は17歳の男性.気管支炎で胸部レントゲンを撮影された際に右肺門部の縦隔陰影拡大を指摘された.翌年の検診でも同様の指摘をされ,当院へ紹介された.胸部CTでは前縦隔に10 cm大の辺縁不整な腫瘍を認め,両側腕頭静脈,上大静脈,右房を圧排し腫瘍の浸潤が疑われた.組織診断のため,腫瘍針生検を行った.組織は小型成熟リンパ球とやや大型の腫瘍細胞からなりc-kit強陽性,PLAPが弱染色像を示した点からセミノーマと診断された.化学療法(BEP療法3コース)が施行され,著明な腫瘍縮小効果が認められたが,一部腫瘍の遺残を認めたため,遺残腫瘍切除を施行した.治療前の針生検標本と合わせて検討し,EBV-EBER陽性で上皮系マーカーに陽性となる腫瘍細胞を認め胸腺リンパ上皮腫様癌と診断した.現在,切除より3年経過し,無再発生存中である.文献的考察を含め報告する.</p>

収録刊行物

参考文献 (12)*注記

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