重症熱傷患者に対する移行ケアにおける看護師の認識

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Perceptions Among Nurses Regarding Transitional Care for Severe Burn Patients

抄録

<p> 重症熱傷患者は病期と治療の場の変化を経験しながら長期の治療過程を経るため, 看護師による移行ケアは重要である. 本研究は, 重症熱傷患者が高度救命救急センター病棟 (以下, 救急病棟) から形成外科病棟に転棟する際の移行ケアにおける看護師の認識を明らかにすることを目的とした. 2022年8月~11月, A特定機能病院の救急病棟および形成外科病棟に勤務するそれぞれの看護師を対象に, 基本属性と重症熱傷患者に対する移行ケアの認識について半構造化面接を行った. 分析は質的記述的分析を行った.<br> 分析の結果, 救急病棟研究協力者5名, 形成外科病棟研究協力者5名であった. 救急看護師からは【回復過程や転棟先環境を考慮したセルフケア獲得への援助】【転棟による環境変化がもたらすボディイメージ変容の懸念と受容過程の共有】【急性期から行う退院支援情報の集約と転棟に向けた情報伝達の準備に関する認識】などの6カテゴリ, 形成看護師からは【創傷治癒と機能回復へのケア継続を考慮した情報把握に対する認識】【救急医療・看護を経た看護単位の変化によるケア継続と患者対応への懸念】【病期の変化に伴う病棟転棟に対するオリエンテーションの認識】などの6カテゴリが生成された.<br> 救急看護師は転棟後のケアの継続や将来の退院支援を考慮した情報共有を移行ケアとして認識しており, 形成看護師は創傷治癒と機能回復に向けたケアの継続や治癒過程の共有を主とした情報共有を移行ケアとして認識していた. 救急看護師と形成看護師の移行ケアに関する認識において, 退院・社会復帰に向けた認識は一致したが, 身体機能の回復の認識や双情報ニーズが不一致だった. 移行ケア促進には, 病棟間における双方看護師の情報ニーズの共有と病棟移行時のオリエンテーション充実の必要性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 熱傷

    熱傷 50 (1), 29-38, 2024-03-15

    一般社団法人 日本熱傷学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299472998270848
  • DOI
    10.34366/jburn.50.1_29
  • ISSN
    24351571
    0285113X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ