プレイス・ブランディングと潜在的復興力の関係の探究

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タイトル別名
  • Exploring the Relationship between Place Branding and Disaster Recovery Potential

抄録

<p>近年,ソフトパワー向上による災害に強い地域社会の構築が課題となっている。そこで本研究ではプレイス・ブランディングの知見を援用し,これまで地域防災の文脈で論じられてきたソーシャル・キャピタル(SC)だけでなく,プレイス・アタッチメント(PA)および自然資産も含め,潜在的復興力を基準変数とする包括的なモデルを提示した。分析に関しては,まず探索的因子分析により潜在的復興力の構成要素を抽出した後に,確証的因子分析により各変数の信頼性・妥当性を検討した。その後,共分散構造分析により仮説モデルを検証した。その結果,SCとPAは潜在的復興力に直接的な影響を及ぼし,SCはPAを介して潜在的復興力に影響を与えるという間接的な効果も一部認められた。また,自然資産はSCおよびPAを醸成し,潜在的復興力を間接的に醸成することが示された。結論として,自然資産を活用した人々の交流が,地域住民と地域空間の結びつきを育むことで総合的に潜在的復興力を醸成する可能性が示唆された。さらに市部・郡部別の多母集団パス解析からは,一部パラメータに地域差が存在することが示唆された。</p>

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参考文献 (10)*注記

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