口腔機能低下症を伴う義歯不適合の高齢者に対して義歯を新製し口腔機能の改善を認めた症例

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  • A case: Oral function improvement by new dentures for an elderly patient with denture imcompatibility with oral hypofunction

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抄録

<p>義歯不適合を主訴として来院した高齢患者に対し,口腔機能に配慮した義歯作製を行うことで良好な結果を得たので報告する.症例は 81 歳の女性.義歯不適合および食事摂取困難を主訴に来院した.2015 年に上顎部分床義歯および下顎全部床義歯を作製し,以後問題なく使用していたが,徐々に義歯が不適合となり食事摂取に支障をきたすようになったため当院を受診した.下顎の全部床義歯は維持安定不良であり,口腔機能低下症検査では口腔衛生状態不良,舌口唇運動機能低下,咬合力低下および舌圧低下の 4 項目に該当した.以上より,下顎義歯不適合を伴う口腔機能低下症と診断し,下顎全部床義歯の製作を含む口腔機能管理を実施した.下顎義歯は下唇圧により不安定となっている可能性が高いと判断し,義歯の安定性をはかるためニュートラルゾーンに配慮して下顎前歯の排列を行った.また,舌と下顎義歯舌側粘膜面の間に空隙が生じないよう配慮して床外形を設定した.新義歯装着後に口腔機能精密検査の再評価を行ったところすべての検査項目で検査値が改善し,良好な結果が得られた.【顎咬合誌 43(2):151-155,2024</p>

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