日本における過労死・過労自死の状況・対策と今後の課題

  • 湯川 慶子
    国立保健医療科学院疫学・統計研究部
  • 島貫 美穂子
    船橋第一法律事務所 過労死弁護団全国連絡会議
  • 江口 尚
    産業医科大学産業生態科学研究所産業精神保健学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Prevention and future issues of karoshi and suicide by overwork in Japan

この論文をさがす

抄録

<p>過労死が社会問題となって以降,法律や認定基準の制定,また企業側,労働者側での対策が充実してきた.しかし,過労死や過労自殺,パワーハラスメントなどに関する報道を聞かない日はない.世界共通の社会問題である「過労死/KAROSHI」について「日本の過労死対策」の変遷や主要な事件を取り上げ,現在の最新の過労死対策の動向や医療と司法を中心に連携について解説する.</p><p>過労死・過労自殺が社会問題として確立した経緯から,予防策,過労死防止法,認定基準の見直し,過重労働や職場でのストレスに悩む労働者や家族の活動,「過労死110番」といった相談窓口を全国に展開した弁護士の活動などを整理したうえで,過労死・過労自殺が生じた時の法的手続きを詳説する.</p><p>労働衛生分野の医療関係者と,労働問題に法的側面から取り組む司法関係者とが連携し,過労死対策や支援に取り組み,過労死が根絶されるまでは,発生した事件の救済を支援し,社会に広く啓発していく必要がある.</p>

収録刊行物

  • 保健医療科学

    保健医療科学 73 (1), 16-31, 2024-02-29

    国立保健医療科学院

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ