ビタミンD の代謝調節と体内時計の関与について

  • 山本 浩範
    仁愛大学人間生活学部健康栄養学科 徳島大学大学院医歯薬学研究部食環境管理学分野
  • 石黒 真理子
    仁愛大学人間生活学部健康栄養学科
  • 福田 詩織
    島根県立大学看護栄養学部健康栄養学科
  • 中橋 乙起
    徳島文理大学人間生活学部食物栄養学科
  • 田中 更沙
    兵庫県立大学環境人間学部食健康栄養課程
  • 増田 真志
    徳島大学大学院医歯薬学研究部食環境管理学分野
  • 武田 英二
    徳島大学大学院医歯薬学研究部食環境管理学分野
  • 竹谷 豊
    徳島大学大学院医歯薬学研究部食環境管理学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Systemic regulation and circadian rhythms of vitamin D metabolism

抄録

<p>慢性腎不全患者や透析患者では,尿中リン排泄およびビタミンD*の活性化障害による高リン血症,低ビタミンD血症を生じるため,二次性副甲状腺機能亢進,腎性骨異栄養症,血管や心臓における異所性石灰化へと重症化し,心血管疾患発症および死亡リスクを増大させる。また,近年,透析導入患者の約半数が糖尿病を合併していることから,三大合併症の糖尿病腎症への進展予防が重要となる。さらに,高リン血症は,腎機能が正常でも心不全の発症および死亡リスクが上昇することや,リンおよび活性型ビタミンDである1,25(OH)2Dの血中濃度は日内リズムが存在することが報告されている。このことから,健常時から疾患時の幅広いライフステージにおける食事リンの量的・質的・時間的な栄養管理は,ビタミンD・カルシウム・骨代謝の恒常性維持や腎疾患の発症・進展予防に役立つだけでなく,糖尿病や炎症性疾患を中心とした生活習慣病の重症化予防にも役立つと考えられる。本稿では,腎疾患におけるビタミンDの欠乏・不足,日内リズムとの関係,ビタミンD代謝調節の研究から明らかになったエネルギー・コレステロール代謝との関連,ライフステージにおけるリン感受性の違いや異所性石灰化の発症リスクについて紹介する(*本稿中,ビタミンDはビタミンD3とビタミンD2の総和を意味する)。</p>

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