Accept or Decline?左房カフに高度損傷を伴ったマージナルドナー肺に賭けた脳死両肺移植例

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抄録

<p>レシピエントは40歳女性。強皮症・SLE・シェーグレン症候群のオーバラップ症候群に関連する間質性肺炎に二次性肺高血圧合併のため、両肺移植を第一術式として肺移植登録されていた。登録後まもなく、肺高血圧のコントロールが不良となり、紹介医での入院治療の継続を余儀なくされていたが、登録後2ヶ月の時点でドナー肺の斡旋を受けた。斡旋順位191位であったが、本ドナーは、画像所見で外傷による肺挫傷と活動性肺炎を認めており、脳死判定2回目時の無呼吸テスト前のP/F値251とマージナル肺であったため、全施設の辞退後に斡旋となった。本レシピエントにおいて次の斡旋機会が得られる可能性は極めて低く、ドナー肺の挫傷や肺炎は可逆的と考え、加えてドナー肺は十分なオーバーサイズであったため、移植後ECMO prolongationや病変部を切除しての移植を考慮し、受諾を決定した。その後、ドナー肺摘出において、開胸所見は斡旋時の想定通りであったが、摘出手術において右肺の左房カフが高度に損傷されたことをドナー肺摘出担当医から報告された。同医師から移植中止を提案されるも、本レシピエントにとってのラストチャンスであることを重視し、左房カフ所見をコーディネーター経由で確認した上でレシピエントチーム内での十分な検討後に移植実施を決断した。発表では私たちの実施した移植の実際と移植後経過を供覧する。他施設からの様々なご意見や熱いディスカッションを希望する。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s149_2-s149_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299673815023232
  • DOI
    10.11386/jst.58.supplement_s149_2
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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