膵臓移植実施体制発展への展望

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説明

<p>本邦での脳死下膵移植は500件を超えて増加しつつある。しかし、膵移植の待機年数は未だ長く、待機患者数に対して十分な移植が行われているとは言えない。また、施設毎の移植数は偏りがある。膵移植患者の多くは腎不全を合併しており、生命予後に影響するため、早期の膵移植・膵腎同時移植が必要であるが、マージナルドナーの条件が厳しく、他臓器と比較して提供された膵臓の移植利用率は低い。一方で、数多く膵移植を行っても合併症が増加し、成績が低下するのであれば意味がない。今後、移植数の増加、成績の向上とともに持続可能な膵移植の発展に向けて考察する。【互助制度や器材共有の取組】現在進行中であり、さらに成熟していくと予想される。肝、腎ではすでに実施されている。【マージナルドナー、却下ドナーの検討】国内での脳死患者は高齢、脳血管障害、心停止ありのマージナルドナーが多い。このようなドナーはどうしてもハイボリュームセンターに回ることが多くなる。また移植却下となったドナーの検討が十分になされているとは言えない。【移植手術および管理の共有と教育】年間1~数件の膵移植に対応するため、移植医教育のためにも近隣ハイボリュームセンターとの連携が重要と考える。膵臓移植はまだまだ成熟しているとはいえず、合併症の検討を十分に行いながら、安全・確実な膵移植の積み重ねと知識の共有が重要である。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s156_1-s156_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390299673815030528
  • DOI
    10.11386/jst.58.supplement_s156_1
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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