Small-for-size syndromeの新基準を用いた当科における治療成績について

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<p>【背景・目的】肝移植後のsmall-for-size syndrome (SFSS)は予後不良の病態であり、周術期のportal modulation介入が必須である。2023年1月、ILTS consensus conference (India)においてSFSSの新基準及び重症度分類が提唱された。重症度分類(Grade A/B/C)では、特にportal hypertensive phaseであるSFSS Grade Bにおいてportal modulationを含めた周術期管理が重要とされている。当院におけるSFSS Grade B[(T-Bil>10mg/dL or INR>1.6(POD7)、もしくはT-Bil>10mg/dL and腹水1L/日(POD14)]の成績につき考察する。</p><p>【対象・方法】当科施行の成人間生体肝移植(LDLT)783例を対象(2022年12月まで)。SFSSの重症度分類で特にGrade Bにおける臨床因子及び予後因子について検討を行った。</p><p>【結果】SFSS新基準においてSFSSを442例(56.4%)認めた。Grade A/B/Cの割合は60.0%/26.0%/14.0%であり、術後グラフト生存率(Grade A/B/C )は1年生存率90.2%/88.7%/46.2%であり、Grade Cが有意に予後不良であった(P<0.05)。また、前期・後期に分類した場合、Grade A/Bのグラフト1年生存率は、前期 89.2%/80.3%(P<0.05)、後期91.0%/91.3%(P=NS)と前期のみGrade Bのグラフト生存率が有意に低値であった。</p><p>【まとめ】SFSS新基準による重症度分類によって予後の層別化可能であった。Grade Bに関して、high volume centerにおける周術期管理の習熟、portal modulation介入による時代後期の予後改善が示唆された。</p>

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