臓器移植啓発の研究における患者参画

DOI
  • 村上 穣
    JA長野厚生連佐久総合病院 腎臓内科

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抄録

<p>【背景】患者さんの疑問や悩みを解決するために、患者さんが医療者と一緒に研究に取り組む“研究への患者・市民参画(Patient and Public Involvement: PPI)”という考え方が普及しつつある。臓器移植の啓発に関する研究においてもPPIの実践が期待されている。</p><p>【研究概要】長野県臓器移植推進委員会は、臓器提供啓発キャンペーン活動として2021年1月9日に発行部数約44万部の信濃毎日新聞に啓発広告を掲載した。新聞広告の意義を検証するための臨床研究を実施し、医療者だけでなく患者さんも啓発活動に参画することの意義を報告した。</p><p>【参画患者】臓器移植の啓発活動を共に行う透析患者さんに本研究に参画してもらった。</p><p>【PPIの実践】筆頭発表者が患者さんと相談し、以下の2点で患者さんの声を研究に活かした。1点目は、患者さんの声から本研究のリサーチクエスチョンを作り出したことである。2点目は、患者さんと研究結果を共有し、その意見を論文のDiscussionに活かしたことである。</p><p>【まとめ】臓器移植の啓発を目的とする研究においてPPIの実践が有効であることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s250_2-s250_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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