腎移植後の外来・入院フォローアップ体制の構築-腎移植通算101例を達成して

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抄録

<p>鳥取県内の前施設で通算101例の腎移植を達成し、他施設で実施されたレシピエントと生体ドナーも加えての外来診療と入院治療の体制を構築したので報告する。当科では腎移植、膵腎同時移植のレシピエント86名と生体腎ドナー30名が外来通院しており、定期外来では、1か月ごとの血液・尿検査、血中濃度測定による免疫抑制療法、6か月ごとの移植腎エコー、骨塩定量、1年ごとの悪性疾患検査、胸腹部単純CTを基本にしている。入院診療では、1泊2日の腎生検入院と翌日診断、急性細胞性拒絶に対するステロイドパルス、サイモグロブリン投与、急性抗体性拒絶に対する血漿交換療法、リツキサン投与、COVID-19感染、CMV、帯状疱疹などのウイルス感染症、急性胃腸炎、腎盂腎炎などの細菌感染症、入院リハビリ療法、移植後糖尿病の食事・運動療法・インスリン導入、機能廃絶に対するシャント作成、透析再導入、維持透析を行っている。令和4年度の外来延患者は1,304人。口唇ヘルペス2例、口腔内カンジダ症1例、CMV感染症2例、帯状疱疹2例を経験した。入院患者は、腎生検3例、FSGS再発1例、急性拒絶反応3例、COVID-19感染23例、腎盂腎炎5例、下腿蜂窩織炎2例、腹膜透析後の急性虫垂炎1例、透析再導入1例であった。移植医療は手術して終了ではない。地域で暮らす移植患者を対象に、移植専門医とかかりつけ医を兼備して、移植後も生涯にわたり良好な結果を示すことで、地方での移植医療の進展に貢献したい。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s256_1-s256_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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