腎移植患者に対するエバシェルド(チキサゲビマブ/シルガビマブ)の使用経験

DOI
  • 岩井 友明
    大阪公立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学
  • 前田 景子
    大阪公立大学医学部附属病院 看護部
  • 松井 七海
    大阪公立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学
  • 壁井 和也
    大阪公立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学
  • 町田 裕一
    大阪公立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学
  • 長沼 俊秀
    大阪公立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学
  • 熊田 憲彦
    大阪市立十三市民病院 泌尿器科
  • 武本 佳昭
    大阪公立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学
  • 内田 潤次
    大阪公立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学

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抄録

<p>【目的】腎移植患者における新型コロナウイルス感染症の重症化リスクは高い。この度、中和抗体薬であるエバシェルド(チキサゲビマブ/シルガビマブ)が固形臓器移植では移植後 1 年以内を対象として発症抑制目的で使用可能となり、当科でも2022年10月より使用を開始したので報告する。【患者】2021年11月から2023年3月まで当科で施行した生体腎移植患者32人に対し、エバシェルド筋注セットを2セット臀部に筋注した。男20例女12例、年齢は中央値48歳[四分位範囲:41,56]、糖尿病の合併を9例認めた。ドナーは配偶者16例、親11例、兄弟姉妹4例、その他血族1例であった。血液型不適合8例、適合24例で、抗ドナー抗体陽性を3例認め、リツキシマブを10例に使用した。【結果】副作用はアレルギー症状(咽頭部不快、呼吸苦)を1例認めたが(キシロカインなどにアレルギーのある症例)、ステロイド投与で軽快した。コロナ感染症は1例のみ発症したが軽症であり無治療で軽快した。一方、エバシェルド投与前の発症を1例認めたが、中等症で入院加療を必要とし、後遺症も2か月持続した。なお、全例生存、生着しており、急性拒絶反応は認めなかった。【考察】エバシェルドは副作用も少なく安全に投与できた。また、少ない症例数で観察期間も短いものの、1例のみの発症で症状も軽症であった。今後も投与を継続してデータを蓄積していきたい。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s262_1-s262_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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