ドナーコーディネーターとしてのCCU脳死下臓器提供時の役割

DOI
  • 宮島 由佳
    藤田医科大学病院移植医療支援室
  • 纐纈 一枝
    藤田医科大学病院移植医療支援室
  • 簗瀬 正伸
    藤田医科大学医学部循環器内科学
  • 剣持 敬
    藤田医科大学病院移植医療支援室 藤田医科大学医学部移植・再生医学

この論文をさがす

抄録

<p>【目的】当院は、高度救命救急センターを有しこれまで18件の脳死下臓器提供を行った。今回、CCUで初めて循環器疾患の脳死下臓器提供の際に、院内コーディネーターとして臓器提供時の看護師支援を行ったため報告する。【方法】1事例目、肺高血圧症による心肺停止。VA-ECMO使用、離脱後脳死状態となり臓器提供選択肢提示を行い臓器提供となった。2事例目、急性心筋梗塞、ECPELLA離脱後脳死状態となり臓器提供選択肢提示を行い臓器提供となった。また、臓器提供フローを作成し、看護師の役割行動について勉強会を1年に1回実施をした。【結果】脳死下臓器提供実施後、看護師から「家族支援を考えるよい機会となった」と発言が聞かれた。一方で、「コーディネーターとの兼ね合いで看護師の介入タイミングが不明」、「ドナーの体温管理が難しい」などの意見があった。【考察】脳死下臓器提供を行う際には、ドナー及び医療チームである医師、看護師、そしてコーディネーターなど多職種の連携が何より重要である。今回改定した臓器提供フローには、多職種を含めた役割行動が不足していた。また、患者の循環・体温管理など患者管理において診療科とのシステムや支援体制の構築が必要であることが明らかとなった。院内コーディネーターとして、提供発生時からのシステム構築とドナー管理の勉強会や場面ごとのシミュレーションなど継続的に行っていくことが重要な役割である。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s285_1-s285_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ